スタービーチ(略称:スタビ)という名前の出会い系があったと今でも聞くことがあるかと思います。
すごいアクセス数だったとか、めちゃくちゃ出会えた、あの時代はよかったなんて伝説のように言われていますよね。
実際に、スタービーチの人気はすごく、渋谷に巨大看板ができたり、社会問題にもなったりと瞬間最大風力はかなりのものでした。
では、スタービーチとは一体どんなサイトだったのでしょうか。
当時を振り返ってみましょう。
スタービーチの歴史
スタービーチは1999年12月にサービスを開始。
2009年2月1日にサービスを終了しました。
約10年間、ガラケー時代のネット文化と一緒に存在していたサービスということになります。
当時のスタービーチは、現在のマッチングアプリとはかなり違います。
基本的には、シンプルな掲示板でした。
「ゲームな掲示板」「級友検索同窓会」「着メロ交換」「待受・ムービー交換」「ジャニーズ掲示板」など、いろいろなコンテンツがあり、その中でも多くのユーザーを集めたのが「メル友募集掲示板」でした。
使用方法はシンプルで、掲示板に年齢や趣味などを自由に書き込み、それを見た人がメールを送るというもの。
今のマッチングアプリなら、プロフィール写真、年齢、職業、趣味などがきれいに整理されていますが、当時はもっと雑というか良くも悪くも自由でした。
ピーク時には1日1,200万アクセス、月間4.5億アクセスあったという数字が伝えられています。
実際に、筆者も使っていましたが、深夜でもページをリロードするたびに新規の書き込みがあったことを覚えています。
スタービーチは出会い系サイトだったの?
スタービーチは伝説の出会い系サイトと語られることが多いですが、先にお話しした通り出会い系というよりも掲示板でした。
そのため、みな出会いを探しているのではなく、メル友が欲しい人、趣味友達が欲しい人、遊びたい人、暇つぶしなど目的はいまよりもぼやけていました。
ただ、出会い系じゃなかったのかと言われるとそうではなく、多くのユーザーは会える範囲の相手を探していたりと、出会い系としてスタービーチを利用していました。
スタービーチ内でも、ほかの掲示板の書き込みは少なく、メル友掲示板が圧倒的にアクセスを集めていたことからも、多くの人はメル友(会う相手)を探していたと思います。
スタービーチ初期は、まだ出会い系サイト規制法もできておらず、出会い系というジャンルもあいまいでした。
通信量など、技術的な面でも複雑なサイトは作れませんでしたので、今からスタービーチを見て、あれは出会い系だった・じゃなかったと定義するのは不毛に思えます。
なぜスタービーチは伝説と言われるのか
スタービーチが今でも伝説のように語られる理由はいくつかあります。
一番大きいのは、やはり時代でしょう。
2000年代前半のインターネットは、今とはまったく違いました。
携帯電話でアクセスできるネットの世界はもっとシンプルで、TwitterやInstagramのようなSNSもなく、youtubeもありませんでした。
知らない人とネットでつながること自体が今よりずっと新鮮でしたし、掲示板は数少ないコンテンツでした。
そして、スタービーチは登録不要で無料でつかえましたので、誰でも使うことができました。
今のマッチングアプリのように、年齢確認、写真登録、プロフィール登録をするという面倒な手順もありません。
メル友は数少ないコンテンツであり、さらに競合サービスも少なく、誰でも簡単に使えたので伝説と言えるほど人が集まったという訳です。
そして、当時は未成年者も利用できる状態でした。
もちろん、それが安全だったという意味ではありません。
むしろ逆です。
現在の出会い系サイト規制法では、18歳未満の児童が出会い系サイトを利用することは認められておらず、事業者には年齢確認などの義務があります。
当時は現在ほどの仕組みが整っていなかったため、若い人でも簡単に利用できました。
そして、それは同時にスタービーチを危険なサービスにもしていたわけです。
良く言えば自由。
悪く言えば無法地帯です。
そういった、アングラな面もスタービーチを伝説にする要因でしょう。
スタービーチは本当に出会えたの?
スタービーチは本当に伝説級に出会えたのかですが、昔話としてかなり盛られている部分もあると思います。
スタビはめっちゃ出会えた。
入れ食いだった。
みたいな話は今でもあります。
一方で、当然ながら利用者全員が簡単に出会えたわけではありません。
人が集まる場所にはそれを悪用しようとする人も集まりますので、詐欺業者や迷惑な投稿なども増えていきます。
当時は、フリーアドレスもなくメールアドレスの変更も大変でしたが、スタビに一度メアドを投稿してしまうと、業者からの大量の迷惑メールが来るようになってしまい大変でした。
そして、初期のころは携帯にカメラ機能もない時代でしたので、待ち合わせで会うまで相手がどんな人かもわかりませんでした。
筆者からすれば、いまの方が安全かつ効率的に会えると感じています。
当時の自由さや独特な空気感もそれはそれでよかったのですが、
単純に話し手の最盛期がスタービーチ時代だっただけであったり、思い出補正の部分も大きいのではないでしょうか。
スタービーチが衰退した理由
スタービーチが終了した理由として、よく挙げられるのが出会い系サイト規制法です。
これは、2003年に成立した法律で、正式名称は「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」となります。
スタービーチが流行る前、テレクラなどのサービスを利用した援助交際が社会問題になりました。
それが、スタービーチなどの携帯でアクセスできる掲示板の出現により拡大。
より大きな社会問題となります。
その問題に対処するため、政府は出会い系サイト規制法を2003年に制定。
2008年の改正で、事業者は公安局への届出が必要になり、ユーザーへの年齢確認の義務化されるなど規制が強化されました。
スタービーチが閉鎖が、この改正案が施行されたタイミングでしたので、よく出会い系サイト規制法が閉鎖の原因だったと言われるわけです。
ただ、個人的には法律だけが原因だったとは思いません。
なぜなら、法律とは別にネットの世界そのものが変わっていたからです。
2004年にはmixiが登場し、その後GREEやモバゲーなど、SNSがどんどん普及していきました。
2007年の時点でも、すでにSNSによって「知らない人とメル友になる」だけではなく、「共通の趣味を持つ人とつながる」という新しいネット上の交流が広がっていました。
そのため、閉鎖前には、スタービーチは最盛期の勢いを大きく失っており、人々に忘れ去られているような状態でした。
もう、時代が次に進んでしまったんですね。
ですから、2009年のサービス終了は、法律によって最後の一撃を受けたという見方もできますが、その前からスタービーチのようなサービスが置かれていた環境そのものが変化していたと考えたほうが自然だと思います。
いまスタービーチの名前を使っている出会い系は使わない方がいい
現在もネット上には、「スタービーチ」「スタビ」など、昔の名前を使った出会い系サイトやアプリが見つかることがあります。
しかし、これらは昔のスタービーチが復活したわけではありません。
過去には「スタビ」や「スタービーチプラス」などのアプリがありましたが、サクラが大量にいる偽ものの出会い系アプリでした。
要するに、昔有名だったサイトが返ってきた!と思わせて、登録させるために名前を使っているにすぎません。
むしろ、自社のサービス名を作らずに、昔の有名サービスの名前を使っていること自体が危険のサインです。
スタービーチの名前をつかった出会い系アプリやサイトは使わない方がいいでしょう。
スタービーチは2009年に閉鎖している
スタービーチの復活を望む声は今でもあります。
ですが、スタービーチが伝説と言われるのは、史上最高の出会い系だったからというよりも、ネットで人と出会うことがまだ珍しかった時代に、条件が重なってヒットしたからにほかなりません。
いま、スタービーチが復活しても、末期の業者だらけの過疎の出会い系にしかならないでしょう。
スタービーチの思い出を聞くと、うらやましく感じるかもしれませんが、
当時を知るものとして言わせてもらうと、法整備とアプリの進化により、現在の方が安全に効率的に出会いやすくなっています。
スタービーチはもう戻ってきません。
でも、2000年代のネットには、今とは違う不便さと自由さがありました。
そして、その時代を代表するサービスの一つが、スタービーチだったのだと思います。

